今夜はサバのキズシでビールを頂いた。ゴマサバとは言え、キズシは旨いな~。
イケスで泳いでいるサバを、1匹ずつ丁寧に神経絞めをし、潮氷に放り込み血抜きする。
ボートのデッキは血まみれで、ズボンにも血が飛び散る。面倒な作業だけれど、おいしく食べるためには仕方ない。
丸々太ったゴマサバと少しほっそりとしたマサバが混じる。先日、楽しみにして持ち帰り、よーし刺身でこのマサバを食ってやろうと腹を出し、腹骨をすくと何やら動いとる・・・。
「ひぃー、アニサキス・・・。イチ、ニー、サン、・・・、ひぃー!」
あちこち身に食いこんでるではないか。骨抜きで掴んでひっぱってみると元気に動いとる・・。
死んだらサバの内臓からアニサキス君は身に移動開始するので、絞めて即内臓取り出しがアニサキス回避の一番の方法なのか~。
良く噛んで食べれば大丈夫だとか、冷凍したら大丈夫だとか、酢でしめたら大丈夫だとか言うけれど、あんな気持ちの悪いもんがくねくね動いとるのを見るとちょっと躊躇してしまう。
確かに良く噛んでコマ切れにしてしまえば、胃の中で胃壁に食い込んでいくことはなかろう。
治療は内視鏡で出血しているところで動いているアニサキスを掴んで取ってくるしかないわけだから恐ろしい。
死ぬほど痛くてのたうちまわるらしいが、アニサキスが食い込んだ部分にアレルギーによって炎症がおこることが、食い込む物理的なことよりも問題のようだ。
強烈な腹痛の原因不明のまま開腹手術なんぞされた日にゃたまらんでしょうな。
このアニサキス、酢でしめても死なないらしい。だから刺身もキズシもリスクは同じ。良く目で見てアニサキスの存在を確認するしかありません。
冷凍もマイナス20℃以下でないとだめなので、家庭用冷凍庫ではあきません。北海道のサケのルイベはカチンカチンに凍ったサケを超薄くスライスするから安心だな。
サバに当たるのは細胞死とともに産生される中毒物質ヒスタミンによるもの。だから血抜きと低温での保管、そして早く食べるが重要だ。
20℃で保管すると、一瞬にしてヒスタミンが増えてしまう。 (Bulletin of the Japanese Society of Scientific Fisheries, 50(4), 1984から抜粋)
難儀な魚だ。
塩焼きにすればアニサキスは死んでしまうはず。だから安心だろうと思うけど、ところがそうは問屋が卸さない。
アニサキスは死んでもアレルギーを引き起こす。アニサキスアレルギーだ。
死んでいるから胃の中で暴れないだろうけど、前にアニサキスを食った経験がある人間の体は覚えているので再訪問のアニサキスに対しては死んでいようが攻撃してしまうのだろう。
これからもしばらくはサバはよく食べるだろう。アジにもカツオにも、そんでイカにも多いアニサキス。そんなもんが怖くて旨いもんが食えるか~!と言いたいがやはり注意した方がよさそうだ。
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